孤立死2万人時代に、私たちができること
2025年、内閣府は「孤立死」に関する初の推計値を公表しました。その数は、なんと2万1856人。これは、誰にも看取られずに亡くなり、一定期間後に発見された方々の数です。65歳以上が約7割、男性が約8割を占めるとされており、高齢の単身男性のリスクの高さがうかがえます。
この推計は、警察庁のデータを基にしたもので、「死後8日以上経って発見された」ことを一つの基準としています。ちなみに、死後4日以上での集計では3万人を超えるとのこと。これほどまでに多くの方が、誰にも気づかれずに人生の最期を迎えているという現実は、決して他人事ではありません。
「孤独」は主観的な感情であるのに対し、「孤立」は客観的な状態です。今回の調査は、あえてこの「孤立」に焦点をあて、社会的つながりの欠如がどれほど深刻かを浮き彫りにしました。背景には、単身世帯の増加や地域のつながりの希薄化など、私たちの暮らしの変化があります。
2024年4月には「孤独・孤立対策推進法」も施行され、政府も対策を本格化させつつあります。しかし、本当に大切なのは、私たち一人ひとりが「気にかける力」を持つことではないでしょうか。
あいさつ、声かけ、定期的な訪問。小さな行動が、生きる希望になることがあります。専門職だけでなく、ご近所や地域の中で誰かを見守る視線こそが、孤立死を防ぐ第一歩です。
私たちのまちから、孤立死を出さないために——今できることを、一緒に考えていきませんか?